春夏秋冬巡る1年間 seasons

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help リーダーに追加 RSS 『Lonely』  chapter 16 (微妙に加筆。)

<<   作成日時 : 2008/07/02 00:59   >>

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大原家。
三人掛けの淡いグリーン・ソファが一台と二人掛けの同系色ソファが一台向かい合い、間に樫の木で重厚に造られたテーブルがある。

ただ、姉妹二人だけだと逆に浮いてしまうようだ。
月明かりがかなりリビングに入ってくる。

「ねぇ、高木先生とアメリカでの婚姻制度がどう関係するの?」
菜月はようやく落ち着いて淹れた紅茶をテーブルにもっていき、興奮気味に話す姉の話をボーっと聴き入るだけだったが…

だが、美月の話をよく聴いていたら

「アメリカでフィアンセビザを領事館などで取得しちゃうと、90日以内に結婚式を挙げなければならないの」

という一文が菜月の耳に強く残る。

「どういう意味か・・・わかるよね・・・?」

無言のままの菜月。


「すでに取得して日にちが経っていたら、もう、手遅れなのよ」


美月が書類をまとめながら話す。
菜月は姉が妹の恋心を知っていたことに驚いていた。
しかし、口には出さないその姉のささやかな気配りがただ嬉しかった…

「美月姉…私どうしたらいいの…?クラスメートにはいきなり航空券を渡されるし、先生は…結婚しちゃう…し…」
「菜月…」

…と、美月が口を開こうとした時に。



「私は許しません。教師とのお付き合いは」


画像




― 一刀両断で口火を切ったのは、私の母 大原 朋華 (おおはら ともか)。
  東京に法人事務所を構える敏腕弁護士なの。

リビングのドアに腕を組みながら寄りかかる朋華。

美月は
「…今、天使が通ったわね」
と、菜月にジョークを交え微笑みかけ、強引に菜月の腕を引き寝室に連れ出す。

「待ちなさいっ!美月!!大事な、時期なのよ!!!」

美月は構わずズンズン突き進む。
ふと、美月は立ち止まり
「私は人生に失敗したの…妹には同じ轍を踏ませたくないの」
と、突っ切る。

二人は夜が更けるまで、話し合うことになる。


****************************************


放課後。

菜月は一人、部室の中央にあるマイクに立っていた。


ラ ラ ラ ララ ・・・ 


と口遊む。

部室の陰に賢一が立っていたことを知らないで。





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